ユニフォームやグッズ制作を通して、お客様のブランディングをサポートするティ・エス・エス株式会社代表の中西佳奈子|全力を尽くす原動力の秘密

「人のために人生尽くすんちゃうかなあ。」笑顔で語ってくれたのは、株式会社ティ・エス・エス代表の中西佳奈子さん。オリジナルのユニフォームやグッズ制作を通じて、お客様のブランディングに貢献しています。そんな中西さんに事業の強みや魅力、叶えたい夢についてお話を伺いました。言葉の端々に感じる、お客様のために全力を尽くしたいという想い。中西さんの原動力に迫ります。

PROFILE

中西佳奈子

ティ・エス・エス株式会社 代表取締役
企業プロデューサー。想いを形にする製品作りを通して、会社のブランディングや従業員のモチベーション向上に貢献している。ティ・エス・エス株式会社が設立されたのは1985年。もともとユニフォーム制作とは異なる業種であるシステム会社だったところへ2008年に入社。新規事業としてキッズダンスのアパレル開発を経験したのち、2019年からオリジナル商品の制作事業を展開。2020年より代表取締役に就任。

事業について

中西さんの現在の事業内容についてお聞かせください

オリジナル商品の制作を通して、企業や店舗のブランディングをサポートしています。

表向きはユニフォーム制作会社ではあるものの、手掛けたアイテムの種類は多岐に渡りますね。具体的な例としては、フロアマットやエコバッグ、スリッパ、コップ、帽子などがあります。

ユニフォーム制作をご依頼いただいた場合でも、話を聞く中で他のアイテムの方がお客様の目的に合っていると感じれば、「作業着は3年後でも大丈夫なので、まずはステッカーから変えましょうか」とご提案します。

とはいえ、ブランディングの入り口として入りやすいこともあり、ユニフォームのご依頼は多いです。髪型と同じで、着るものが変わると見た目の印象だけでなく、気持ちの面も変化するため、会社のイメージアップに効果的だと感じています。

実績について教えてください

これまでにお取引きした会社は52社、制作を担当した商品は300種類以上です。本格的に現在の事業に取り組み始めたのは2024年なので、まだまだこれからだと思っています。

数字以上に嬉しい声もいただいています。初回にご依頼いただいたお客様からは、ユニフォームを変えたことで、働くモチベーションが上がり、若い人の離職率が下がったというご報告がありました。

また、以前は15〜20名だった従業員の数が、60名まで増えたというお話もありました。想像していた以上に会社が変わったと好評です。

中西さんの事業の強みについて教えてください

お客様のこだわりを、できる限り反映させられるところが強みです。頼まれなくてもニーズに合ったものを提案できるところや、お客様の希望に対して、実現するのは難しいと決めつけず、どうすれば叶えられるかを考えるところに、魅力を感じていただけているようです。

私がもともとデザイナーであれば、仕事に対するプライドや色の固定概念から「この色にはこの色を合わせたほうが良い」と誘導してしまうかもしれません。

しかし、製品作りを通して変えたいのは、あくまでもお客様の会社です。提案はもちろんしますが、お客様が思い描くイメージを尊重し、最終的にはご自身でデザインを決めていただけるよう心がけています。

もうひとつの強みは「攻めの姿勢」ですね。仕事に対して受け身ではなく、変化を恐れず積極的に行動するようにしています。これまでの業者にはなかった新しい発想や作業に合った生地の知識を持っていることも、お客様から選ばれる理由だと思っています。

ユニフォームやグッズ制作の魅力は何だと思いますか?

ユニフォームやグッズの制作を通して、サービスや商品を届けたいお客様に、会社をどう見せたいかを、社長さんと従業員が一緒になって考えられるところですね。

汚れてもよい服である作業着に、お金をかける必要はないと考える方もいらっしゃいます。けれども、ものづくりを通して会社の良いところや歴史を見直す機会が持てるんです。最初は社長さんがひとりで制作していたところ、そのうち従業員の方がデザイン案を出すようになったケースもあります。

会社をアピールするためにみんなで考えたデザインを通して仕事につながったら、嬉しいだけでなく、会社愛が強まり、働くモチベーションにもなると思います。自分たちの意見が反映されたユニフォームやグッズであれば、より愛着も湧きますよね。

良いお仕事をさせていただいていると感じています。

経歴について

中西さんが今の事業を始められたきっかけについてお聞かせください

もともとは、ユニフォーム制作とは関係のない、ヒップホップ系のキッズダンス衣装のデザインと企画販売から事業を始めました。友人と一緒にブランドを立ち上げて、ネットショップをしていたんです。

しかし、コロナでイベントや練習もなくなる状況になり経営は悪化。

同じ時期に、切削工場の社長さんから、作業着を作ってほしいというご依頼を受けたんです。作業着はあるけれど、工場のイメージが変わるようなユニフォームを作ってほしいというのが希望でした。ダンスの衣装が作れるなら作業着もできるだろうと考えたようです。

とはいえ、業界が全然違いますし、不安もありました。けれども、きっかけをいただいたのであれば挑戦してみたいという気持ちもあって。「経験はないのですが是非挑戦させて下さい」と正直に伝えたうえで、引き受けました。

それから3年経って、よくよく考えてみたら、私がしていることは、プロデュースでありブランディングだと気付いたんですよね。お客様の会社をより良くしようと考え、行動しているわけですから。

そういった意味もあり、初めて作業着の制作を依頼してくださったお客様との出会いに感謝しています。このご縁がなければ、絶対に今の事業はやっていないと思うので。

実際、ユニフォーム作りを始めてみてどうでしたか?

最初の1年は、正直なところ苦しかったですね。

当時ユニフォームを作った実績がなかったことから、ユニフォーム関係の問屋さんと取引できませんでした。

もともとアパレル系の仕事をしていたものの、プリントも自分でしたことがなかったため、実績作りからスタートしました。機械を購入し、オンラインショップで購入した作業着などにプリントする作業を1年間地道に続け、サンプル制作提案等の独自の仕組を作り販売実績を積みました。利益はゼロでしたが再び訪問して。ようやく問屋さんと取引できるようになりました。

また、それぞれのお客様のこだわりを実現させるために、対応できる加工業者さんを、その都度必死で探しましたね。断ろうと思えば断ることもできるのですが、お客様の希望を叶えたい一心で乗り越えました。今もさらに新しい提案など幅広くできるように、国内のみならず海外での試作やプリントの幅も広げています。

そこまでお客様のために尽くせるのはなぜでしょうか?

もともと尽くすタイプなんです。(笑)

幼稚園の頃、着替えが遅い子を手伝って、自分は遅れるといったことがよくありました。先生に、「次に何をするのか他の子どもたちに伝えてきて」などとよく頼まれましたね。

長女のイメージがあるかもしれませんが、実は末っ子なんです。人のために尽くすのは、もともとの性格だと思います。

今後について

事業のために現在どういったことに取り組んでいますか?

自分がお客様に提供する価値を高めることですね。企業や業種に関わらず、本質は同じだと思っています。

ブランディングには終わりがありません。お客様に対する貢献度を高めるには、価値と向き合い、時代とともに進化し続ける必要があります。

今回の経営インタビューも、価値を向上させる取り組みのひとつです。

また、専門の経営コンサルも受けており、どこまで事業を仕組み化できるかにも挑戦しています。経営コンサルを依頼する前は、事業のためにできることは、やり尽くしたと思っていました。

けれども、実際は数字の分析ができていなかったんです。そのため、作業時間や売上など、数字の見直しから始めています。

今後も、事業のためにできることがあれば、積極的に取り組んでいきたいです。

中西さんの描く今後の展望をお聞かせください

大きな夢があるんです。

今の事業で再現性を持てるようになったら、発展途上国に仕事を持って行き、そこに住む人たちが、村を離れずに働ける仕組みを作りたいなと考えています。

以前、子どもを連れてカンボジアを訪れたのがきっかけです。当時、長男は小学6年生、次男は小学1年生でした。子どもが難しい年頃を迎える前に、いろいろな世界を見せたいという想いから、スラムや孤児院を訪問したんです。

現地の小学校で体験授業を受ける機会もありました。交流した子どもたちの中には、当時小学1年生だったわが子と同じくらいの身長の子が数人いました。年齢を聞いてみたところ、驚くことに、その子達は12歳だったんです。栄養が足りないために、体が大きくならないんですよね。

家庭事情を聞いてみたら、親は出稼ぎに行っていて、ひとりで暮らしている子どもたちもいるとのことでした。学校の給食に出るお粥のようなものを、食事として頼りにしているみたいです。

そのあと、日本の企業が運営に携わっている孤児院も訪問しました。そこで暮らす子どもたちは、ごはんを3食食べられていて、年相応の身長だったんです。衝撃を受けました。

今の事業を仕組化すれば、発展途上国でもできるのではないかと考えています。お母さんたちが自分の力で収入を得て、子どもにお腹いっぱいごはんを食べさせてあげられるよう、手に職をつけるサポートをするのが夢です。

日本にも、子育てや介護で家を空けられないなどの理由から、自宅で仕事をしたいと思っている人もいます。そういった人たちが私と同じように、一人でできる事業の仕組みを作れれば、カンボジアといった発展途上国でも再現できると考えています。

今の事業と関係ないと思っていましたが、根幹のところはつながっているみたいです。

最後に、ティ・エス・エスへ依頼を検討されている方に向けてメッセージをお願いします

会社の価値を高めたいと思ったときには、お気軽にご相談いただければと思います。

ヒアリングの時点で作りたい商品のイメージが固まっていなくても、ご安心ください。お客様自身でゼロからデザインを考えるのは難しいと思うので、サンプルを見て話し合いを重ねながら、一緒に具現化していきます。

お客様に満足していただくことを最優先に、全力でやり遂げます。信頼してご依頼いただけたら嬉しいです。

インタビュー:中本晃太郎
原稿制作:春野なほ

会社の魅力を上げたいと思ったときは、ぜひティ・エス・エス株式会社にご相談ください。制服ユニホームプロデューサーである中西が、製品作りを通して、ブランディングを全力でサポートいたします。具体的にどうすれば会社のイメージを変えられるか分からない方も、まずはお気軽にご相談ください。

V.Voices編集長中本晃太郎

熱い想いをもつ中西さんのインタビューには私も感銘を受けました。特に、カンボジアでのエピソードが心に残っています。日本のみならず、これから海外でも事業を展開される夢のある中西さん。ますますのご活躍をお祈りしています。

株式会社ティ・エス・エス代表 中西佳奈子さん

突然のアポにご対応いただきありがとうございました。柔らかい空気感を作っていただいたお陰で、とても話しやすかったです。自分の事を話す機会はなかなかないけれど、見つめ直す時間になって、忙しさで忘れかけていた熱い気持ちを思い返せて、やる気が出ました。