業務効率化を通じて、お客様の成長と拡大を支え、見守るパートナーであり続けたい|株式会社TheFlow代表の若林凜が描くビジョン
2020年に株式会社TheFlowを設立後、起業家・事業者への支援を主軸としたビジネスフローの最適化によって、企業の成長をサポートする若林凜さん。お客様にとって無駄のない業務フローを実現させるべく、邁進されている若林さんに、事業の強みや今後の展望についてお話を伺いました。「美しい行動デザインが効率化につながる」と掲げる若林さんの思いやお考えに焦点を当てたいと思います。
事業について
若林さんの現在の事業内容についてお聞かせください
弊社は、お客様のビジネスの成長フェーズごとに合った4つのサービスを提供しています。
起業家のみなさまや、発展・拡大中の企業様が営業をはじめとしたコアな業務に集中できるように、業務フローを最適化するためのソリューション提案を主に行っています。
具体的な事業内容は、以下のとおりです。
事業 | 概要 |
創業者支援サービス | Webアプリ「TheFlow」を通じた、起業・ 開業のサポート |
起業支援事業者向けマッチングサービス | 起業家と士業・コンサルタントのマッチングを実現するWebアプリ「Co-office」の提供 |
業務のDX・システム導入支援 | 業務プロセスの自動化・効率化に向けたソリューション |
国・自治体の案件獲得サポート | 官公庁案件を入札するためのメンバー育成や応札サポートなど |
一般的に会社経営は、次の3つのプロセスに分けられます。
- 起業する
- 税理士や労務士など起業を支援してくれるパートナーを見つける
- 会社を組織化し、事業を拡大させる
弊社の事業は、上記3つの段階に応じたサービスをお客様にご利用いただけるのが大きな特徴です。
たとえば、起業・開業準備にお悩みの方であれば、「創業者支援サービス」を、業務の効率化にお悩みであれば「業務のDX・システム導入支援」を提供いたします。
各事業の詳細について具体的に教えてください
創業者支援サービスについて
初めて開業や起業する方をサポートするための「TheFlow」というオールインワンアプリを提供しています。
「TheFlow」では、起業までにすべきことをまとめたToDoリストを用意しているので、効率的なタスク管理が可能です。
また、起業・開業のための具体的な行動から、思いついたアイデアや悩みごとを記録できる日記機能まで搭載しており、その内容を見た専門家よりアドバイスをもらえることもあります。
起業支援事業者向けマッチングサービスについて
税理士さんや労務士さんをはじめとした士業の方と起業家をつなげる「Co-office」というマッチングサービスを運営しています。
世の中には、起業・開業に悩んでいるお客様を探すために、セミナーの開催や広告への掲載など、さまざまな方法で試行錯誤されている士業の方が多くいらっしゃるんです。
しかし、お客様を探すのは大変なことですし、見込み客が見つかったとしても、関係性が途絶えないようにつながり続ける必要も出てきます。
士業の方が「Co-office」を使えば、「TheFlow」ユーザーである起業家の方々が抱える悩みごとへ直接アクセスできます。「Co-office」上でお互いにメッセージを交わせるだけでなく、お悩みの内容に応じた支援・提案も行えるのが特徴です。
多くの起業家の方は、支援先を探すにあたって、自身の悩みに親身になってくれるパートナーを求めています。
そこで、お互いがメッセージ上でやり取りしながら、関係性を築くことでマッチングできるプラットフォームを作りました。
また、Webアプリ「TheFlow」と「Co-office」を通じて弊社のサービスをご利用いただいた方の中には、業務の効率化などについて新たにご相談いただける場合もあります。
これらのサービスをご利用いただいた方が、弊社のサービスにより深く興味をもってくださったら、業務プロセスにお悩みを感じるフェーズに進んだときに初めて、ソリューションとして入らせていただくんです。
業務のDX・システム導入支援について
お客様の業務状況を徹底的に分析し、業務プロセスを効率化するためのシステム導入をご提案します。
弊社の特徴である「行動をデザインする」ことによって、マニュアル不要で誰もがスムーズに使えるシステム導入を実現しているのも大きな特徴です。
もちろん、業務フローやシステムは同じものが永続的に使えるわけではないので、時代の変化や進歩に応じて、新陳代謝させなければなりません。
お客様が変化する状況や組織の拡大規模に合わせて、柔軟にアップデートしていきます。
国・自治体の案件獲得サポートについて
私が長年、官公庁で発注側として積み上げてきた独自のナレッジを活かして、官公庁案件を勝ち取るためのサポートを行います。
弊社の専門チームが応札のサポートを直接することも可能ですし、お客様先で入札対応専門チームを育成するための支援もできます。
官公庁案件は、国・自治体へ良い提案をし、安く入札するだけでは勝ち取ることができません。
きちんと資料を読み、ニーズを汲み取った上で緻密な戦略を立て、それに沿って応札して初めて勝てるのです。
多くのお客様から、「官公庁案件を勝ち取るためのノウハウを教えてほしい」というご要望をいただいたのをきっかけに、この事業も行動デザインのひとつとして新たに立ち上げました。
今後もクライアントファーストの考えのもと、お客様にとってどんなサービスが必要なのかを追求していきたいですね。
TheFlow社の事業における強みについて教えてください
弊社の強みは、「無駄な労働に人間の手を割かせない」という視点をもって、業務効率化のためのソリューションをご提供している点です。
みなさまがよくお話される、細かい事務作業の代表例が経費精算です。小さな経費であれば、レシートを1枚ずつ確認して、管理するような方法は必要ないんですよ。
コーポレートカードや請求書払いを利用してAmazonやアスクルなどで発注すれば、経費清算もいらないので経理業務の負担が一気に軽くなります。だけど中には、そのような方法をご存じでない企業様も多く存在するのです。
また、営業活動においても、営業マンの事務作業を代わりに行ってくれるようなシステムは積極的に導入した方が良いと考えています。
たとえば、営業部専用のポータルサイトを導入すれば、見込み客に送った見積書の記録が保存され、先方もポータルサイトを見るだけで、見積書を確認できます。エクセルで見積書を作成し、メールで送るといったやり方は、もはや旧式といえるでしょう。
抵抗があるお客様には決して無理にご提案しませんが、お客様が受け入れてくれさえすれば、業務の無駄はとことんなくしていけるのです。
業務効率に何らかの課題がある場合、ほとんどの場合はシステムに問題があるわけではなく、業務フロー自体に何らかの課題があります。
システムはあくまで手段の一つですので、まずは業務フローを最適化させていただき、そこにマッチするシステムを導入すれば、無駄な業務をなくせると考えています。
業務フローを最適化すれば、人間の手で行うべき業務と、システムに任せられる業務が明確になります。
請求書の作成といった事務作業は、人間でなくてもシステムが行えますが、仲間同士でアイディア出しをしたり、お客様へプレゼンを行ったりするのは、私たち人間にしかできないことです。
つまり、業務効率化を実現させれば、人間は人間にしかできない仕事に集中できるのです。働く方々が、自分たちにしかできないことに力を注げるような環境づくりを実現させたいですね。
経歴について
若林さんが今の事業を始められたきっかけについてお聞かせください
起業前は市役所に勤めており、総務、システム導入・運用、会計などの業務を主軸に、就職支援や中小企業様の支援に携わりました。
多くの起業家の方とお話する中で、私が思う以上に、みなさんが自力でやらなくても良いことに多くの時間と工数をかけている事実に気がついたんです。
確定申告を例に挙げると、知識ゼロの状態から自力で勉強して申告できるようになるまでには、莫大な労力がかかります。その過程をプロに任せてしまえば、浮いたリソースを事業の発展に使えるはずです。
私は市役所に勤めており、確定申告や登記などに慣れ過ぎていたため、何がそこまで難しく、つまづいてしまうのかがわかりませんでした。
しかし、さまざまな起業家の方とお話する中で、確定申告や登記はハードルが高く、莫大な労力が必要な作業なんだと気づいたとき、無駄な業務が存在しない世界をつくりたいという思いが生まれたんです。
慣れない業務に必要以上の時間と工数を割くよりも、その道のプロに任せた方が、圧倒的に効率が良いですし、お互いにとってもプラスになりますよね。
夢のような話かもしれませんが、いつか確定申告などに時間を全くかけなくても良い世界にしたいと思っています。一人ひとりが、自分にしかできないコアな業務に集中できるような環境作りをサポートしていきたいです。
また、「無駄な業務が存在しない世界をつくりたい」と思ったタイミングが、今後の自分のキャリアを考えるタイミングに重なったのも大きいですね。
このまま市役所で働き続けるよりも、これまで学んだことを活かして、「私自身が起業すれば良い」という結論に至り、2020年8月に起業しました。
事業における課題について
事業をされている中で感じられている課題点があれば教えてください
創業当初から感じている課題なのですが、業務の自動化・効率化が、働き手の仕事を奪う場合があることです。
たとえば、業務の効率化を行うときは、働いている事務員さんの業務内容を全て洗い出すところから始めます。しかし、全ての業務をシステム化したら、その方達の雇用が失われてしまうのも事実です。
そのため、事務員として働いている方が、業務が全て自動化されてしまうことを知ったら、業務内容を洗い出すことに消極的になるのは当たり前のことでしょう。
企業様とお話する中で、たとえ業務が効率的でないとしても、事務員さんが一生懸命業務を回してくれていることに気がつくことができます。
弊社がソリューションを提供するときは、業務を回してくれている方の仕事内容を詳しく理解することを大切にしています。
業務の内訳を一つひとつ紐解いていく中で、どこに課題があり、どのようなソリューションが必要なのかが明らかになりますし、業務を回してくれていた方々が、どのような努力をされていたのかを深く知れるからです。
「業務効率化」というシステマティックな部分に携わる以上、従業員の方がこれまでされてきた業務内容を尊重する姿勢をもつのが大切だと考えています。
「企業」のみを主語にして考えれば、業務の自動化・効率化は人件費の削減につながり、かつ業務効率も上げられる方法です。
一方で、従業員の方は、日々の生活を守るために働いています。従業員の方が日々頑張っている事実を知れば知るほど、「その方の仕事を自分がなくしてしまうのか…」というジレンマを感じる瞬間も珍しくありません。
この部分は、まだ確かな答えが見つかっていないので、今後も向き合うべき課題ですね。
今後について
若林さんの描く今後の展望をお聞かせください
今後は、お客様が抱える特定の業務のみにフォーカスするのではなく、BPOとシステム導入の中間の立場として、業務の仕組み化からお手伝いしたいと考えています。
ここで、大企業を例に挙げてお話させてください。大企業の場合、スケジュール調整やタスク管理を行うためのポータルサイトがシステム部や総務部によって仕組み化されています。
すでに仕組み化されているので、他の社員はシステムを使うだけ、という効率的な業務フローが完成しているのです。
大企業のように効率的な業務の仕組み化を、中小企業のみなさまにも提供する立場でありたいと思っています。弊社としては、事務員さんを1名雇うよりも低コストで運用できるシステムサービスを丸ごと提供したいです。
一方で、業務において、「ブラックボックス化してはいけない」という話がありますよね。ブラックボックス化したままだと、その業務がどのような状態でどう回していけば良いのかが、限られた人しか把握できなくなってしまいます。
仮にその人が急にいなくなってしまったら、業務自体がストップしてしまうでしょう。だからこそ、担当者が不在でも、業務が回るようにシステム化し、弊社が代わりに管理すれば良いと考えています。
たとえば、自動車の仕組みを全て理解し、運転している人は決して多くありません。多くの方が運転さえできれば良いと考えているので、仕組みまで詳しく知る必要性を感じないのです。
今後、運転が自動化されたら、人の手すら必要なくなるでしょう。業務においても、人間がやらなくても良いことは、できる限りシステム化すべきだと思います。
ゆくゆくは、弊社のサービスを月額制でサブスク化したいと考えています。システム導入だけでなく、システム導入後の運用まで弊社がサポートすれば、企業様が抱える業務負担を最小限に抑えられると信じています。
無駄なく美しい業務フローを生み出すためにも、お客様の根幹部分に入り込み、サポートできる存在を目指したいですね。
現在募集中の採用ポジションについて教えてください
現在は、東京しごとセンターにて65歳以上のシニアの方と営業経験がある中途の方を対象に、営業職のポジションを募集しています。
シニアの方にはマネージャーのポジションをお願いし、キャリアチェンジの方には、その方の下に就いていただくようなイメージを構想しています。
採用活動を始めたのは、私が会社を進化させるための動きに振り切るためです。
営業経験のない方を採用した場合、一人前の営業マンになるまでに、イチから育てなければなりません。
弊社のマンパワーでは、私が人材育成にかける時間を割けないので、経験者の方をメインに採用したいと考えています。
若林さんは今後どのような方々と一緒に働きたいですか?
求める人物像としては、新しいことにもチャレンジ意欲をもって取り組める方です。
弊社の事業ミッションが「既存の仕組みをイチから変えること」なので、既存の在り方や価値観に囚われず、新たな領域や価値観を受け入れ、フレキシブルに対応できる方と一緒に働きたいですね。
業務効率化に課題を抱えているお客様は、既存の仕組みが当たり前だと思っているので、どうしたら効率化につながるのかをご存じではありません。
だからこそ、お客様がより良い働き方ができるように、新しいことにどんどん挑戦し、世界全体を良くしていきたいとの意欲がある人が、弊社にとって必要な人材です。
最後に、起業を控えている方や、TheFlow社へ依頼を検討されている方にメッセージをお願いします
日頃、仕事では大変なことがたくさんあると思います。特に起業家といえば尚更でしょう。
それでも、今この瞬間を生きていることは当たり前ではないですし、とてもすごいことだと思うんです。
弊社は今を懸命に生きながらも、より高みを目指されている方々を全力でサポートする存在であり続けたいと思っています。
弊社のサービスは、みなさまの会社を成長・拡大させるために存在します。ぜひ積極的に使っていただき、会社を前進させていってほしいですね。
みなさまの勢いに負けぬよう、弊社も精一杯努めてまいりますので、お困りの方はいつでもお気軽にご相談ください。
インタビュー&原稿制作:三神志織
初めての開業・起業準備に不安を抱えている方や、業務効率化に課題を感じている方は、ぜひ株式会社TheFlowにご相談ください。課題の洗い出しから改善策の提示、業務フローの整備まで、若林が全力で伴走いたします。具体的にどこから相談すべきか分からない方も、まずはお気軽にご相談ください。