建築板金工事業界の理解を促進させたい。屋根修理・リフォームに実績をもつ昭和ルーフリモ 前川祐介が語る未来とは

「私たちの事業を通じて、建築板金工事業界の現状や『あるべき姿』を表現することで、社会を変えていきたい」穏やかな口調ながらも、熱い想いを語ってくれたのは、昭和ルーフリモ株式会社代表の前川祐介さん。自社で屋根材や職人を管理し、屋根・外壁工事を提供しています。そんな前川さんに事業の内容・強み、建築板金工事業界の現状・課題についてお話を伺いました。
以下は、昭和ルーフリモ株式会社が運営しているWebメディア「テイガク」です。問い合わせから工事までの流れはもちろん、お客様に向けた屋根・外壁工事の基礎知識、実際に利用されたお客様からのインタビューも動画でご覧いただけます。
屋根修理・リフォームに実績をもつ昭和ルーフリモの事業について
まずは、屋根修理・リフォームに実績をもつ昭和ルーフリモ株式会社の事業内容をお伺いしていきます。
前川さんの現在の事業内容についてお聞かせください
メインとなるのは「テイガク事業」です。テイガクとは、昭和ルーフリモ株式会社が運営する外装工事の直販事業で、名前には価格の「定額」と「低額」の2つの意味が込められています。自社で屋根材や職人さんを管理し、戸建て住宅や工場・倉庫の屋根・外壁工事をお客様に提供しています。金属製の屋根や外壁という、特殊な建材を専門に扱っているのが特徴です。
テイガク事業の他に、建設企業様を対象とした「法人事業」も展開しています。昭和ルーフリモ株式会社の創業当初から、建設企業様の協力会社として、金属屋根および金属サイディングの工事を提供してきました。
杉並区の本社以外に全国に拠点を持ち、幅広いエリアの皆様のサポートが可能です。
- 本社(東京都杉並区)
 - 東京・埼玉工事センター(埼玉県川口市)
 - 西武・関越工事センター(埼玉県川越市)
 - 神奈川工事センター(神奈川県横浜市都筑区)
 - 湘南・相模工事センター(神奈川県綾瀬市)
 - 京葉工事センター(千葉県市川市)
 - 多摩・圏央工事センター(東京都八王子市)
 - 屋根外壁・品質性能評価センター(埼玉県久喜市)
 - 大阪中央工事センター(大阪府堺市堺区)
 - 大阪工事センター(大阪府豊中市)
 - テイガクさいたま店(埼玉県さいたま市中央区)
 - テイガク東京中央店(東京都小平市)
 - テイガク世田谷・川崎店(東京都世田谷区)
 - テイガク千葉中央店(千葉県千葉市花見川区)
 - テイガク神戸店(兵庫県神戸市兵庫区)
 - テイガク泉北・泉南店(大阪府泉北郡忠岡町)
 
テイガクの事業の強みについて教えてください
テイガクの事業の強みは、大きく分けて二つあります。

一つ目は、資材を管理する自社倉庫を所有していることです。金属製の屋根・外壁材は一枚あたり3〜4mと長く、保管するには天井高のある特殊な倉庫が必要です。しかし、倉庫を所有して管理するには初期費用が多額に及ぶため、多くの事業者は自社で倉庫を所有するのが困難です。
そんな中、私たちは自社倉庫で資材を管理することで、お客様からのご依頼や、急なトラブルにも迅速に対応できる体制を整えている点が、大きな強みといえます。

二つ目は、職人不足が叫ばれる現代において、一定数の職人さんを確保できていることです。建設業は、以下の表のように塗装・解体・電気など、29の専門業種に分かれます。
建設工事の種類
| 土木一式工事 | 鋼構造物工事 | 熱絶縁工事 | 
| 建築一式工事 | 鉄筋工事 | 電気通信工事 | 
| 大工工事 | 舗装工事 | 造園工事 | 
| 左官工事 | しゅんせつ工事 | さく井工事 | 
| とび・土工・コンクリート工事 | 板金工事 | 建具工事 | 
| 石工事 | ガラス工事 | 水道施設工事 | 
| 屋根工事 | 塗装工事 | 消防施設工事 | 
| 電気工事 | 防水工事 | 清掃施設工事 | 
| 管工事 | 内装仕上工事 | 解体工事 | 
| タイル・れんが・ブロック工事 | 機械器具設置工事 | 
参考:建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)
上記の29種の中でも、私たちが専門としている金属外装の板金工事は、技術取得がトップクラスに難しい技術です。
たとえば塗装の場合、そこそこのセンスと理解力があれば、早くて一年程度で「職人」と名乗り、仕事ができるでしょう。
一方、板金工であれば、一人前の職人になるまでに、最低でも5年はかかるといわれています。余談ですが、先日50代半ばでこの道30年のベテランの方が、「最近ようやく仕事がわかってきた」とつぶやいていました。そのくらい難しくて、奥が深い世界なんです。
一人前の技術を習得するまでのハードルが高い中、専門の技術を備えた職人さんを集めて工事を提供できていることは、自社ならではの強みです。
テイガクの実績について教えてください
テイガクは、外壁塗装なども含めた金属屋根・金属サイディング改修工事の分野において、日本一の施工実績と自負しています。具体的な数字としては、これまでに金属屋根と金属サイディングの改修工事を、累計で20,000棟以上手掛けてきました。
また、2025年7月現在、東京都に4拠点、大阪府・埼玉県に各3拠点、神奈川県・千葉県に各2拠点、兵庫県に1拠点の工事および営業拠点を展開しています。
屋根修理・リフォームで結果を出せている要因は何だと思いますか?
Webサイトでの集客を本格化させる10年ほど前から、下請けの工事を数多く受けていました。その時点で、他社を圧倒するほどの施工実績があったことが土台となり、現在の結果につながっていると思っています。

また、自社が制作・運営しているWebメディア「テイガク」で集客し、お客様に直接工事を提供する仕組みを構築したことも大きな要因です。はじめは私が一人でWebサイトを担当していましたが、事業が成長する過程でエンジニアを迎え入れ、体制を強化しました。
適切な情報を届け、お客様に安心して工事を選んでいただくために、WebサイトやYouTubeなどを通じて情報発信もおこなっています。
建築板金工事業界は専門性が高い一方で、残念ながら知識や技術が未熟な事業者も少なくありません。そこで、お客様自身が正しい情報をもとに、安心して依頼先を選べるよう、私たちがもつ専門知識をわかりやすく紹介しています。こういった取り組みは、他社との差別化にもつながっていると感じています。
屋根の修理・リフォームで困ったらテイガクのWebサイトやYouTubeを見ていただければ解決です。
Webサイトでの集客を始めたきっかけはなんですか?
現在は、Webサイトで集客しなければ、生き残れないくらい主流になっていますが、10年ほど前までは、建築板金工事業界に「IT」を取り入れている会社は、ほとんどありませんでした。この黎明期にいち早く取り組むことで、先行者利益が得られるのではないかと期待したのがきっかけです。
加えて、東日本大震災の影響で、当時は建築板金工事業界が不景気だったことも関係しています。新たな集客方法で活路を見出したいという気持ちで、Webサイト「テイガク」を制作し、集客を始めました。その結果、下請けの仕事が中心だった会社から、お客様に直接サービスを届けられる元請け会社へと変容を遂げられたのです。
前川祐介さんの経歴について
前川さんが屋根修理・リフォームの事業を始められたきっかけについてお聞かせください
父の会社がリーマンショックで経営的に厳しい状況にあると聞き、何か自分にできることはないかと考えたのがきっかけです。もともとWebサイト制作に興味があったので、独学でサイトを作り、元請け事業を始めました。反響が大きくなるにつれて、「これならいける」と確信し、本格的にこの事業に参画することを決めました。
実は、最初は屋根の仕事に興味がなく、むしろ地味な仕事だと見下していた部分もあります。しかし、実際に携わってみると、その奥深さに魅了されたのです。また、業界が間違った方向に進んでいる現状を知り、今では使命感を持ってこの仕事に取り組んでいます。
そのような使命感を持つようになった背景には、何があるのでしょうか?
実は、この事業を始める前に、製薬会社で3年間働いていました。製薬業界では、10年という長い時間をかけて臨床試験をおこない、薬の有効性や安全性を証明するのが当たり前でした。一方、建築板金工事業界では、そうした前提や証拠を重視して仕事をしている人が少なく、衝撃を受けたのです。
製薬会社での勤務経験を通して培った、「エビデンス(科学的根拠)」に基づき物事を判断する姿勢は、テイガクのバックボーンになっていると感じています。
屋根修理・リフォームに実績をもつテイガクの今後について
屋根修理に関する業界が抱える問題・課題について教えてください
以前は安定していた建築板金工事業界ですが、現在は、きちんと技術を取得せずに板金を扱う職人さんが増えてきています。その要因のひとつとして、板金には明確なマニュアルやガイドラインがなく、技術の担保が難しいことが挙げられます。
そもそも、板金工のキャリアにおける一つのゴールは、「手に職をつけ、独立して生きていくこと」です。独立までの道筋は大きく分けて二つあります。
一つは、一人親方のもとで見習いとして働きながら修行を積む、昔ながらの「手間請け」という形です。もう一つは、「社員職人」として会社に所属し、給料や休みが保証された環境で技術を学び独立を目指す方法で、最近はこちらが増えています。
いずれにしても、技術力のある先輩のもとで時間をかけて修行を積む必要があります。
独立して一人親方になると、工事は「一平米あたりいくら」という出来高で決まるため、より多くの面積をこなせばその分お金をもらえます。建設業は、このように頑張りが直接収入に反映される世界も魅力のひとつです。
ただし、安定して稼ぐには確かな技術が前提です。適切な手順や法令・安全を踏まえた”正規のプロセス”を理解・実践せずに施工すると、品質不良やトラブルの原因となります。実際に、知識や技能が不十分な事業者による不適切な工事が散見されるのも事実です。
金属の屋根が普及し始めたのはここ最近です。それまでは、瓦やセメントが一般的でした。しかし、時代の流れにより、良い金属が登場したことで、金属を扱う瓦の職人さんが増えたのです。しかし、瓦と板金は必要な技術が異なることを一般消費者の方は知りません。
また、台風や地震などの自然災害が発生すると、一時的に屋根の改修需要が高まります。屋根が飛ばされたり崩れたりすると、瓦の職人さんに限らず、板金の知識のない人たちが自分たちの利益のために工事をすることも少なくありません。
2018年、2019年と2年連続で大きな台風が発生したのをきっかけに、「屋根の工事が儲かる」という安易な考えが広まり、業界が良くない方向に変わってしまいました。
クロスや床、キッチンなどであれば、素人の目で見ても「おかしいな」というのはわかると思います。けれども、屋根の場合は実際に登ってみないと、手抜きしているかどうかを確認できません。こうした現状は一般消費者には、ほとんど知られておらず、大きな課題だと思っています。
そこでテイガクでは、お客様に正しい情報を届けるために、YouTubeやWebサイトを通じて、金属屋根の専門的な知識や、工事の品質を見極めるポイントなどを発信しています。
私たちは、専門家としての確かな技術で高品質な施工を提供するだけでなく、見積内訳、施工基準、保証内容を明確にし、誰もが安心して屋根工事を任せられる透明な業界づくりを目指しています。
前川さんの描く今後の展望をお聞かせください
私が思い描いている展望は、二つあります。
一つ目は、従業員の成長につながる機会を提供し続けることです。昭和ルーフリモ株式会社では、Webサイト制作から問い合わせ、工事まで一貫しておこなっています。また、チャットといったITを積極的に活用し、日々のコミュニケーションを図ることで、従業員全体で会社の方向性や理念も共有しています。

こういった、一つの業務にとらわれない幅広い経験ができる会社の方針によって、将来この会社を離れたとしても、「昭和ルーフリモ株式会社での経験があったから、今の自分がいる」と思ってもらえたら、経営者として嬉しいですね。
二つ目は、歪んでしまった建築板金工事業界を、本来あるべき姿に戻すことです。テイガクの事業を通じて、板金の本当の価値や、信頼できる業者の見分け方などを、より多くの人に知ってもらいたいです。そのために、同業者だけでなく、一般消費者の方に向けても、YouTubeやWebサイトなどで正しい情報を発信し続けたいと思います。
「お客様の大切な家を守り、笑顔になれる工事を届ける」という私たちの姿勢を体現することで、社会全体を良い方向に変えていくことが大きな目標です。
インタビュー:中本晃太郎
原稿制作:春野なほ
建築板金工事業界の未来を一緒に創りませんか?
この記事を読み、代表である前川の想いや当社のビジョンに共感してくださった方は、ぜひ一緒に働きませんか。昭和ルーフリモ株式会社では、事業拡大に伴い、板金職人や施工管理職の社員を募集しています。経験者はもちろん、未経験から挑戦したいという意欲のある方も歓迎いたします。仕事とプライベートの両方を大切にできる環境で、やりがいをもって働けるのが魅力です。まずは以下の採用情報より、募集要項をご覧ください。

