クライアントとはともに成長し合える関係でいたい|廣山晃也が株式会社アネマを設立した経緯と今後

株式会社アネマ代表廣山晃也

2022年に株式会社アネマを立ち上げた廣山。事業内容だけでなく、そこに懸ける思いや社内メンバーに対する考えも聞いてきました。今後の展望も踏まえて、アネマとはどのような会社で何を目指しているかについて、内に秘める想いを語ります。

PROFILE

廣山 晃也

株式会社アネマ 代表取締役
都内の国立大学卒業後、新卒で入社した会社で、採用マーケティングの一環として公式メディアの運用を担当しつつ、BtoBのオンライン配信事業の立ち上げなどを経験する。入社2年後に社員+個人事業主という形からフリーランスに転向し、半年後にメディア運用支援に特化した株式会社アネマを設立。

アネマが提供しているサービスを教えてください

大きい枠組みでいうと、法人向けのWebマーケティング支援事業です。その中でもアネマがもっとも得意としているものが採用などを目的としたコーポレートサイトの運用と事業サイトのSEOになります。

サービスの内容を詳しく教えてください

コーポレートサイトの運用支援について

コーポレートサイトの運用には、会社紹介やサービス紹介と案件獲得、メンバー紹介、求人、広報・IRといった幅広い目的があります。

目的の数だけペルソナが増え、対象ごとにバランスと表記する情報の優先度をつけることが求められます。目的ごとに固定ページをつくりますが、一つしかないTOPページやグローバルメニューからの適切な交通整理、情報整理が求められるわけです。

また、採用サイトのアップデートも複数社に対してご提供しています。採用サイトも企業によってまったくターゲットが違います。

BtoBの事業会社がPOPすぎる採用サイトをつくれば、応募してくださる人材のミスマッチ度は高まるでしょうし、表現のレベルを上げすぎれば応募数が減るでしょう。もちろん、ゆるい言葉を選びすぎると、応募は増えても面接の無駄も増えてしまいます。

すなわち、企業の固定ページは常にターゲットの反応を見て、表現をチューニングする必要があるのです。

さらには、会社も半年・1年と経過するごとに注力するポイントやブランディングとして使いたい言葉も変化します。これらの変化についていくメディア運用の支援部隊が必要で、そこがアネマになります。

事業サイトのSEO支援について

事業サイトのSEOに関しては、まず「SEOで戦える状況か」という前提の確認から入ります。

上場企業で被リンクの蓄積のあるドメインをもっていたり、運用歴の長いサイトを持っていたり、新しい領域への参入などという状況が重なるとSEOの成功確率は高まります。

一方で、予算がない、許容できるリードタイムがない、新規ドメイン、などといった条件が増えていくと取り組むべきはSEOではなく、より短期でリード獲得につながるような施策の方がよいこともあります。そのような判断から相談に承っています。

いざSEOをやるとなれば、アネマではリード獲得に必要なキーワード選定から記事構成の作成、原稿作成、入稿、順位動向の追跡とアクセス・成果分析、MAツールを用いたリード発生元の分析まで対応することができます。

キーワード選定では、顕在層として購買意欲の高い、しかし自社ドメインで上位表示確率の高いキーワードを狙います。また予算が許す場合は、MAツールを導入し、「どの記事から、あるいはどの記事とどの記事をいつ、どのような順番でみてCVしたのか」というところまで細かく分析します。すると、CVしている記事だけ優先的にリライトしたり、横展開したりできます。

なぜアネマでその2つの事業を始められたのでしょうか?

元々学生時代にSEO集客によるアフィリエイトサイトを運営していたので、それがきっかけでSEOで記事を上位表示して読んでもらえること、およびそこから売り上げをつくれることの楽しさを知っていました。当時は個人サイトでも戦いやすかったため、いろいろなキーワードで検索上位を獲っていたんです。同時に、小規模事業者や企業向けのコンサルなどもやっていたので、その流れで今のSEO支援を事業としてやっている背景があります。

採用マーケティング支援を始めたのは、僕が新卒で入ったところが採用を目的としたメディア発信も担う部署だったことが大きいですね。そこで数年取り組んだ結果、採用を目的としたサイトの場合SEOだけでは足りず、リファラルやSNS、イベントまで含めたあらゆるチャネルの接点をもつことと、そこで認知してくださった方々が企業名を調べた時にナーチャリングできるコンテンツが必要であることまでが見えました。

コンテンツとしては、企業側が伝えたい情報を綺麗にまとめた固定ページだけでなく、実際に働かれている方の声、キャリアパスなどの事例がブログとして必要です。

また、ブログは自社メディア社員のことを書いてもリアリティが若干足りないところもあり、キーパーソンの指名検索に対応した”VisionaryVoices”(当メディア)の立ち上げにも繋がっています。

株式会社アネマ代表取締役社長廣山晃也

現在のアネマのクライアントや獲得チャネル、実績についても教えてください

個人のTwitterがきっかけでクライアントになっていただいている企業様もありますし、BtoB会社と何社か提携させていただいており、そこ経由で案件をいただいてるのも多いですね。

もう少し細かくいうと、BtoB会社がフロントで案件を取られてきて、その中身である戦略策定や運用、分析の部分をアネマがやっているものもあります。会社によっては、SEOのコンサルは丸っと中身をうちで引き受けているところもあります。

ただ、期待値や考え方といった点で今後は、直接契約を増やしたいと思っています。僕らは早く・大量に・短期で案件を捌くというよりは、密に、じっくり、長くクライアント様と信頼できる関係を築く方が合っています。たとえば、僕らはネット上にある情報の再編集だけではなく、企業ごとの事例、取り組み、担当者の声といった一次情報を盛り込んだコンテンツをつくることが得意です。過去事例やインタビューパートを作るのであれば、社内のキーパーソンに時間を割いていただく必要があります。予算が許す限りではありますが、このように中身のある記事こそ、情報過多なこの時代に価値ある創造物だと考えています。

実績としては、私の前職でもある上場企業とはもう3年以上一緒に仕事をさせていただき、コーポレートメディア(HP・SNS)の運用やBtoB系の事業サイトのSEO対策(キーワード選定・記事制作・分析)、広告運用などに携わっています。また、いくつかのBtoB会社経由では別業種の上場企業2社や医療系クリニック、学習塾、建設会社、美容サロンなどをはじめとするメディア運用に携わりました。

さらには自社直接でテニススクールや地方の地元で大きな影響力を持つ企業様のメディア運用・WEB系の新規事業の立ち上げ支援を行っています。そして先日も嬉しい声をいただきました。

あとは私自身が別のD2C会社の経営も行なっており、そちらのEC・物流周りの運用も構築しています。採用はなかなか明確な成果を数値化しづらい(人を評価することにもなるので)ですが、事業支援の方では、SEOと広告経由で年商1億円以上の事業作りに寄与したりしています。

廣山さんは株式会社アネマをどのような経緯で創業されたのでしょうか?

僕はもともと就活前の学生時代から個人事業主でした。そのため、就職した時点で「社員兼個人事業主」となりました。

その後、同世代で頑張っている他のフリーランス・経営者からの刺激を受け、よりリスクを取って挑戦したい気持ちからフリーランス1本とし、半年後にアネマとして法人化しました。

廣山さんが事業をする上で大切にしていることがあればお聞かせください

色々経験する中で最近重視するようになってきたのですが、「期待値をあげすぎない」ということです。最初からできない/やらない方がいいということがわかった場合は、その旨を必ず言うようにしています。仮に失敗することがわかっていて案件を受けたとしても、クライアントとしては予算を溶かしてしまうことになりますし、案件としても終わりますよね。結果的にお互い損になって、人間関係も悪くなり、誰も幸せになれません。直接契約の場合は、ここを僕のポリシーでクライアント様と設定できるので、うちとしては大きなメリットです。

また、嘘をつかないようにしています。これまでビジネスをしてきて「嘘をつかれた瞬間」というのがいくつかあり、いずれもその方・会社への信用残高が自分の中で減りました。疑う気持ちを持ってメンバーには働いてほしくないので、僕自身が気をつけるようにしています。特にお金周りはきちんとしたいと思っています。実際にはアネマでは業務委託の方への報酬を翌月末の締め日ではなく経理集計ができたタイミングで先に払っています。

あとは責任ですね。上長としてディレクションする立場にあるときは自分で責任をとり、メンバーのせいにしないことを大切にしています。成果がでるようにメンバーに仕事を振れなかった、ディレクション側の責任なので…。

株式会社アネマ代表取締役社長廣山晃也

今後のアネマの展望についてお聞かせください

今現在、僕以外は全員、業務委託で契約しているフリーランスや副業として活動している方たちのみなので、もう少し売り上げを伸ばし、社員を雇いたいと思っています。

着実に足元を固めながら、自分たちの輪を大きくしていきたいですね。最初に会社を作ったときは僕とフリーランスの方が2名いて、計3名でやっていたのですが、今はメンバーが20名ぐらいまで増えました。その中でもフルコミットしてくださる方に社員としての働き方も提案できたらベストだと思っています。

また、事業も今は受託だけなのですが、そこを大きくしつつ、違う角度でクライアントの役に立てるソリューションを作っていきたい気持ちもあります。

廣山さんはアネマでどんな人と一緒に働きたいと考えていますか?

記事の構成作成やライティングをする上で、ひとつ上の視点を持てる人が良いですね。たとえば、どうすればこの受託サービスでクライアントの提供できる価値を増やせるか、スムーズに案件を回せるのか、また、新規事業ができるのかなどです。そのような目線で動いていただける方には、活躍の場が多いと思います。

今アネマにいるメンバーと知り合うまでの経緯や働く人を選ぶ基準があれば教えてください

最初の頃のメンバーは、学生時代からの知り合いやTwitterでつながった方が多いです。その後は、案件が拡大するにつれて、こちらからスカウトして入っていただいています。ライターやデザイナー、エンジニアの方々もいますよ。

ちなみにアプローチする基準はきちんとあって、どんなに優秀でも「価値観が合わないな」と感じた方には声をかけません。たとえば、SNSでの発信を見ると、その方の価値観は一目瞭然です。副業などでお金を稼ぐ考え方は本当にすばらしいと思うのですが、ただ単にお金だけに寄ってしまうと価値観が合わないと感じてしまいます。スキルを伸ばしつつ、クライアントとも長期的に良い関係を築きながら、自分のできることが増えて、結果として収⼊も増えるという考え方であれば、アネマに合うと思います。

株式会社アネマ代表取締役社長廣山晃也

今現在、アネマが抱えている課題やそれらを解決するために取り組んでいることはありますか?

先ほどの社員を迎え入れる話とつながるのですが、現状で商談やクライアントとの直接連絡をしているのがほぼ僕だけなので、他のメンバーにもフロントができるようになってほしいですね。

記事制作や分析など、個別で知識を共有したり、不定期で研修を実施するなどして、社内メンバーだけで回せるようになってきました。ただ、本音を言うと、僕のハードワークで成り立っている部分も多少あるので、メンバーの方々にはもっと伸びていただく必要があると感じています。

研修以外ですと、少し背伸びすれば届くくらいのことをメンバーに任せるようにしていますね。以前は品質担保のために、確実にできそうなことしか頼まないスタンスだったのですが、どんどん任せたほうが成長することに気付いたんです。もちろん、押し付けるわけではなく、本人がやりたいかどうかの意志は必ず尊重しますよ。

とはいえ、最初は任せる勇気がなかったんですが、もしもの場合、僕が責任を取って徹夜してでも何とかすると覚悟を決めました。すると、メンバーが驚くほど成長して、輝く姿を見られたんです。僕自身、それがとても楽しくて、まさに”覚醒”の瞬間に立ち会ったような気持ちでした。ちなみに今のところ、メンバーのせいで徹夜をしたことはありません。(笑)

メンバーをとても大切にされていますが、そのような想いに至るような体験があったのでしょうか?

僕が学生時代に研究や事業を企画した中には、今でも反省しているような失敗がありました。自分ができると思って周りを巻き込んでも、結局キャパオーバーになってできないと、相手を裏切ることになってしまいますよね。そういうことをしてしまうと何年経ってもずっと後悔します。そのような経験と、前職企業のメンバーたちの人の内面をみて大切にしてくれたチームとの出会いがあり、僕自身も人を大切にしたいと強く思うようになりました。搾取してやろうなんて気持ちも全然なくて、むしろ持続可能な配分で、メンバーと会社、ともに成長できる関係性をこれからも築いていくつもりです。

最後に、アネマを通じて実現したい未来はどのようなものでしょうか?

丁寧なスタンスで、今の時代に合ったノウハウを提供するチームでありたいです。社名である”Anema”はAdapt to New Era Marketing Accuratelyの頭文字を取っているのですが、時代の変化に適応したマーケティングノウハウを提供するという意味が込められています。

僕が学生時代にアフィリエイトサイトを運営していた経験から、Web領域の変化を毎年肌で感じていました。その変化に適応するためには、営業・ブランディングを磨くのではなく、ずっと「現場」をやり続ける必要があるんですよね。

お金を稼げたらそれで良いわけじゃなくて、しっかりと愛のある対応をしつつ、良い関係を築きながらクライアントも僕たちもお互いが成長するような事業支援をしたいと思っています。

インタビュー&原稿制作:中本晃太郎

企業におけるコーポレートサイト運用(会社紹介・サービス紹介・採用ページ・フォームとリスト管理)や事業サイトのSEOにおいて、担当者不在の場合はアネマにご相談ください。企画から相談しやすい距離感で、上場企業やBtoB会社のメディア運用に携わってきた廣山がお力にならせていただきます。1時間無料で相談を承っており、この中で分析や簡単なアドバイスも対応可能です。お気軽にご相談ください。