20年の指導経験のもと、サーブ・フットワーク・ジュニアに特化したレッスンで受講生を勝利へ導くSmart Swing. Pro代表の松田智行|経歴や目指す未来を語る
テニススクールを運営する傍ら、テニス用品の販売事業を営む松田智行さん。これまでの経歴や目指す未来について、お話を伺いました。テニスプレイヤーとしての挫折経験からコーチになるまでの道のりとともに、今の事業内容について熱く語ります。
現在の仕事内容について
松田さんの現在のお仕事についてお聞かせください。
現在はプロ選手の海外ツアー帯同経験のあるコーチのレッスンが受けられるテニススクールとして、サーブとフットワークに特化したレッスンを中心としたスクールを運営しています。
また、上達を目的としたテニス用品、練習器具の販売や開発を行っています。
現在開催しているレッスン内容は次のとおりです。
レッスン名 | 内容詳細 | 開催形態 |
ジュニアサーブ&フットワーク | ジュニア(小学生~高校生)を対象にしたサーブとフットワークに特化したレッスン | 集団レッスン |
大人のためのサーブ塾 | サーブに特化したレッスン | 集団レッスン |
勝者のフットワーク塾 | フットワークに特化したレッスン | 集団レッスン |
プライベートコーチング | 集中的に練習したい内容がある方や、トーナメントで上位を目指す方へのプライベートレッスン | 個別レッスン |
ジュニア(子ども向け)は初心者というよりは試合に勝ちたい子が多く、大人は初心者から上級者までさまざまな段階の方がいます。ただ運動のために通うというよりは、一般の大会で試合に勝つことを目的にしている方が多いですね。
運営しているテニススクールSmartswing. Proでは、一般のスクールにはない、技術の向上に特化し、プロの現場から得られたノウハウを取り入れたカリキュラムで、センサーによる計測など、最新の技術も取り入れた指導をしています。
また、テニス用品の販売・開発事業については、日本にはないような練習用のグッズを日本代理店として海外から仕入れて販売するのがメインです。
松田さんのテニススクールの具体的なレッスン内容について教えてください
Smart Swing. Proでは、一般的なテニススクールとは違い、サーブだけを2時間ひたすら練習するといったことをします。
普通はレベルごとにクラス分けされ、1時間半から2時間くらいの間で、ボールストロークやボレ、サーブ、ゲームなど一連の練習をするんです。
しかし、うちではクラス分けはなく、サーブならサーブだけしかしません。クラス分けがないからといって上級者と初心者が打ち合うようなこともないので、レベルが違っても同じ時間帯に練習ができる環境になっています。
ただし、サーブだけといっても、2時間ひたすら打ち続けているわけではないです。
サーブを打つという動作だけでも上達のためのカリキュラムとして10項目以上あるので、それらを一つひとつ丁寧にクリアしていけるようにレッスンしているイメージですね。
スポーツ全般にいえることですが、上達するにはコーチや選手の動きを真似て覚えていくように、視覚から入る事がよくあります。
しかし、大人になると柔軟性や持久力が落ちてきてしまうので、子どもと比べると完全に動きを真似するのが難しいんですよね。
だから、段階的にひとつずつ動きを確認して、知識と理論で学べるようにして進めています。
松田さんはなぜサーブをはじめとした特定領域を扱うレッスン内容にしているのでしょうか?
サーブはテニスで勝つために絶対に外せないキーポイントなのに、練習時間がとても少ないと感じていたからです。
そして、テニススクールに来られるほとんどの方は、今自分が出ている大会の試合に勝ちたいというモチベーションが高いからこそ、サーブを練習すればするほど結果が大きく変わると考えています。
また、男性の方だとサーブスピードを上げて、プロの選手のようにサービスエースを取りたいというニーズの方も多いですね。
そのようなニーズに応えようとした結果、サーブをはじめとした、ある領域に特化した練習を扱うレッスン内容になりました。
自分がテニスプレーヤーとして長年やってきたので、培った技術や知識を頼りに、よりこうすればよくなると感じた内容を実現した結果でもあります。
また、あとでくわしく説明するYouTubeチャンネル「スタテニ」の撮影で、国内外のトッププロを現場で見ているのも大きいですね。
他のレッスンにはフットワークに特化したものもあるんですよね。そちらの特徴も教えてください
こちらのレッスンではひたすら2時間の中で、フットワークのみを練習します。フットワークもテニスの試合に勝つうえでは、欠かせない要素になると考えています。
とにかく、一般的なスクールに通っている方は上達したいというモチベーションが高い方が多いと感じてます。でも、時間は限られている。そんな中で、一生懸命動くだけでは効率が悪いですよね。
限られた時間で上達を目指すには、やみくもにボールを打つのではなく、目指すべき形を意識して練習することが求められます。
フットワークレッスンでは動き初めはどのように動けばよいか、また、遠いところに打たれたときにどう動けば追いつけるかなどを細かく指導しています。スタートの足や、打ち返した後の動きなど、一歩ずつチェックしていますよ。
テニスの動きは、いくつかのパターンに分類することが出来るので、パターンごとに動きを練習し、実戦で使い分けるという形です。分類して学ぶから、とっさの時に迷わず動くことが出来るようになります。
テニス用品の販売・開発事業ではどのようなことをされているのでしょうか?
テニス用品については、日本国内にはないような練習器具やアイテムを探し、日本代理店として販売するのが主な仕事です。
買い付けには年に1回ほどの頻度で行っています。「グランドスラム」というテニスの大会が1年間に4回開催されるのですが、それを見に行くついでに現地のお店を回るようにしています。
やはり、テニスの大きな大会を開催している国々ではテニス用品の取扱数も多く、珍しいアイテムや上達に効果的だと感じるものが集まってきます。
また、大会に行く前にはメーカーさんに事前にコンタクトを取って、企業へ訪問することも多いです。
テニス商品をネットで購入するのではなく、四大大会に合わせて海外から買い付ける発想や言語が異なる現地企業とコンタクトをとっているのは、目から鱗です。
買い付けをされているのは何かきっかけがあったのでしょうか?
昔から上達のためのアイデアを考えたり、それをもとにしたオリジナルグッズを作ったりするのが好きだったからです。
たとえば、ジュニア選手にはスイングを大きくするために、テニスラケットではなくチューブや長い棒を振らせるようなこともしていましたよ。
また、子どもたちが試合前の待機時間を有効活用するために、ボールを打っているような感覚がもてる素振りグッズも手作りしました。
ちなみに、このグッズは非常に好評で、のちにクラウドファンディングで資金を集めて、2年近くかけて商品化もしています。
自分の発想で作ったものや自分が選んだグッズで喜んでもらえたのがうれしくて、気がつけば上達につながりそうな商品を海外から輸入して販売するようになりましたね。
テニスグッズは国内にもさまざまなものがありますが、上達を目的にしたグッズは海外の方が面白いものが多いです。
日本にあるようなものだと、テニスボールに紐が付いていて、打つと返ってくるようなグッズがあります。「あぁ、あれか」と想像がつくかもしれません。
一方で、海外ではラケットがきちんと触れているかを確認するために、実際に振ると笛のような音がピーッとなるようなものや、ゲームの点数を数えるためのスコアボードがテニスラケットに貼り付けられるものもあります。
大きな企業では取り扱えないニッチな商品こそ、私の求めるところです。練習においてもよくある練習だけでなく、新たな切り口の練習だからこそ変化を感じられる。
少し違った視点から見てみると、上達が行き詰っていたところが一気にブレイクスルーする。そこが、レッスンや練習グッズで求めている共通点ですね。
経歴について
松田さんのご経歴を詳しくお聞かせください
僕は小学校では野球を6年間やっていました。中学からは友人の誘いを機にテニス部に入り、そこからテニスを始めるようになりました。
一般的にテニスプレーヤーとしてはスタートが遅かったので、その話をすると周りから驚かれますね。
高校はほぼ部活とテニススクールに通う毎日でしたが、昔からモノ作りが好きだったこともあり、大学は工学部を専攻しました。
それからはプレイヤーではなく、テニススクールでアルバイトを始めたんです。このときはプレーヤーを続けるモチベーションがなく、高校のときに燃え尽きた感がありましたね。
その後、一般企業である電子機器を開発するメーカーに就職しました。そこでテニスからは一時期離れていたのですが、就職するとまったく運動する機会がなくなってしまったんです。
その中で、テニスをしたい気持ちが大きくなっていき、次はコーチではなく、もう一度プレイヤーとしてやると決断しました。
仕事を2年くらいで辞めて、オーストラリアへ単身渡り、テニス留学をしています。やるなら土日や平日の夜に趣味程度にするのではなく、徹底的に極めたい気持ちでした。もともとそのような性格だったので、決断は早かったです。
オーストラリアに渡った理由としては「当時、オーストラリアは世界トップレベルの選手が多かったのと、簡単にやめられない環境を作りたいとの思いが強かったのが大きいですね。
現地では、さまざまな試合に出たり、練習に参加したりしていました。
ただし、気持ちと裏腹に予想以上に怪我が多く、最終的には手首を傷めてしまい、プレイヤーとして続けるのは難しいと判断して、帰国したんです。
帰国後は、ボール出しや指導くらいならできると思ったので、一般のテニススクールで再度コーチを始めました。コーチを始めて13年くらい経ったのちに、Smart Swing. Proを立ち上げ独立し、今に至ります。
身体を痛められたとのことでしたが、当時はどのような状況だったのでしょうか?
テニスは人同士がコンタクトしない分、怪我が比較的少ないスポーツです。
ただし、オーバーユースによる関節などの怪我は頻繁にありました。
また、現地の練習では、ハードコートといって地面がコンクリートになっている環境が一般的だったんです。そこで長時間練習すると、腰や膝を傷めたりすることも多々ありました。
部位によりますが、一度身体を痛めると長くて1ヵ月くらいは練習ができなくなります。当時は復帰後も何ヵ月かプレイすると、また怪我をして数週間ほど練習ができない、といったループに陥っていました。
最終的に手首を痛めてしまい、2ヵ月以上経っても症状が改善せず、手術が必要だと言われたため、テニスプレーヤーを引退する決断に至ります。
当時はどのようなお気持ちだったのでしょうか?
ショックの一言でした。
逃げ道をなくすためにオーストラリアに渡り、何かを成し遂げようとしていたわけですからね。
目標を達成できずに中途半端で終わってしまうような、やりきれなさを感じました。
帰国後のテニスのコーチはどのようにされていたのでしょうか?
今は独立して、自分のテニススクールを運営していますが、帰国後すぐはアルバイトから始めています。途中で正社員となり、10年くらい働きましたね。
しかし、レッスンしていくうえで、もっと自分のやり方で指導したいと強く思うようになったんです。全国展開しているようなテニススクールは、ある程度方針や指導方法が決まっています。
僕はオーストラリアでプレイヤーとしての経験もあったので、練習内容にもっとこんなことを取り入れたいという気持ちが強く出てしまうようになりました。
それを実現できないもどかしさに耐えられなかったですね。
そこで、自分のやり方を提案できるような形にするべく、独立してSmart Swing. Proを立ち上げました。
松田さんの独立後の活動内容について教えてください
ずっと住み慣れている関東エリアを中心にSmart Swing. Proを立ち上げ、現在も拠点は変えていません。
活動としては、テニススクールのコーチ・運営とグッズ販売事業をしながら、YouTubeチャンネル「スターテニスアカデミー」の前進となる「小野田テニスクラブ」を始めています。
同世代の元プロ選手との人脈を活かして、5年ほど前から共同で始めたのがきっかけです。
地方のテニスプレイヤーでも知らない人がいないくらいテニス界では有名であり、国内外のトッププロが毎回出てきて現場で培ったノウハウをシェアしてくれる、本格的なテニスチャンネルです。
もともとは、僕がコンテンツの企画や動画撮影・編集までしていました。
しかし、規模が大きくなるにつれて、専門の会社が運営を引き継ぐこととなり、現在は撮影協力しつつ、ときどき出演するくらいの頻度で関わっています。
ただし、チャンネルを創設したのは僕と小野田プロになるので、肩書として「スターテニスアカデミーの創始者」と名乗らせてもらっています。
テニススクールについて
他にはない、松田さんのテニススクールの強みは何でしょうか?
Smart Swing. Proの強みとしては、新しいものを積極的に取り入れるようにしていることです。
これまで効果的なものは残しつつ、上達や目的達成のために役立ちそうなものはすぐに効果を検証し、時代に合ったものを取り入れ、常にバージョンアップするようにしています。
一般のスクールだと、わかりやすさや簡単さを中心として、技術的にも考え方的にも優しいものが多いです。サービス業なので当然かもしれません。
一方で、Smart Swing. Proは「勝利から逆算された練習を行う」ように設計されており、難しいものを段階的に理解を深めようとしているので、根本から目的が違う認識です。
常にレッスン内容のバージョンアップを意識しており、僕もインプットを多くするように心がけています。
たとえば、YouTubeチャンネルの運営に携わっている関係で、現在もさまざまなプロの選手に会う機会があります。そこで聞ける現場の生の声を活用しない手はありません。
やはり、映像で見るのと生で間近に見るのとでは、情報量に大きな違いがあります。各選手の言葉や動き、イメージを直に感じて、何なら疑問に思った点を聞いたりもしています。
ただ、考えや練習法をそのまま取り入れるのでは、私流ではないので、自分の中で検証し、咀嚼した結果をレッスンなどに生かすようにしています。
僕の経験と知識からできた判断基準で、上達のために必要なものを取り入れています。
今通われている生徒さんにはどのようになってほしいですか?
レッスンを受けられる生徒さんは、さまざまな目的をもっています。
僕はどの生徒さんにも、目的を達成するための考え方はひとつではないことを知ってほしいです。
たとえば、テニスにおいては「もっと上手くなりたい」との理由で通われる方が一般的です。
ただし、筋力がないといけない、年齢が若くないと上達は難しいと誤解されている方が非常に多いのも事実です。身体の動きをきちんと整えたり、考え方を変えたりするだけで、それぞれの目標は達成できることを伝えたいですね。
それが一般のテニススクールとは異なり、技術の向上にしっかりと向き合うSmart Swing. Proが出せる価値だと考えています。
松田さんのテニススクールにはどのような方が来られるのでしょうか?
やはり、多くは一般の試合や大会で勝てるようになりたいと考えている方が多いです。
また、すでに何年か他のスクールに通われてたものの、伸び悩んでいる方も来られます。
松田さんが思う、Smart Swing. Proに来てほしい方はどのような方ですか?
一言でいえば、上達に行き詰っている方ですね。
そのような方はサーブやフットワークなど勝つために必要な内容に特化したレッスンをしているので、一番マッチすると思います。
一方で、Smart Swing. Proでは、テニスをその場で楽しむことを目的にしていません。そのため、レッスンを楽しく受けたい方には向いていないと思います。
一般的なテニススクールでは、コーチが最後にレッスンを楽しませるような雰囲気で終わらせるところも多いです。
しかし、Smart Swing. Proはどちらかといえば、「うーん…」と頭を悩ませながら帰って行かれる方が大半なんですよね。(笑)
悩みつつも通い続けて、あるタイミングで「そういうことか!」とわかったときの快感を得られるのが、うちの特徴ともいえます。
Smart Swing. Proでは、楽しむことよりも上達や目標達成を掲げているので、必然的に悩むことの方が多いでしょう。
悩み抜いた先に快感を通じて、結果が出て、その過程を楽しいと思ってほしいです。
今後のビジョンや目標について
松田さんの描く今後の目標やビジョンについてお聞かせください
今は関東を中心にテニススクールを運営していますが、ゆくゆくはSmart Swing. Proで教えているメソッドを確立させて、全国に広めていきたいです。
今は何名かのアルバイトの方に手伝ってもらっているのですが、基本的には1人で指導している状況なので。
また、車いすテニス選手の試合に帯同し、テクニックの奥深さを感じる事がありました。これは、私の持っている、技術を深堀していくメソッドと通じる部分があるので、今後本格的に指導する事にも興味があります。
最後にテニススクールに通うかを検討されている方にメッセージをお願いします
今はテニススクールも全国にたくさんあり、大体の方はひとつのスクールにしか通ったことがないと思います。
ただ、上手くなるための方法はひとつではありません。アプローチの方法がたくさんあれば、個人の特徴によって戦略や闘い方も変わってきます。
上達は何歳からでも、何時からでも可能だということを、ぜひSmart Swing. Proを通じて知っていってほしいと思います。
インタビュー&原稿制作:中本晃太郎
「勝ちたいのに試合で勝てない」と伸び悩んでいる方は、ぜひSmart Swing. Proの門を叩いてみてください。10年以上フットワークとサーブに特化したレッスンを開講し、多くの受講者から評価を受けている松田が独自のメソッドであなたのテニスを改善し、勝利へと導きます。「これまで出来なかったことが出来るように、勝てなかった相手に勝てるようになる」という”楽しさ”を体感されたい方は、ぜひ一度レッスンにお越しください。